ソフトウェアもハードウェアも自作する
当研究室では、「CBZ」と呼ばれるソフトウェアを独自開発しており、熱中性子炉や高速中性子炉を対象とした複雑な計算を高精度で行うことができます。また、CBZが医療用中性子源の設計にも適用できることも2022年度の研究により実証しました。新しいアイデアを考え、それをソフトウェアに実装し、その性能を評価する、というサイクルを繰り返しながら、ソフトウェア、そして我々自身を、日々アップデートさせています。また、最近はハードウェアに強い学生が研究室に在籍しているので、PCのパーツを購入し、それを自らで組み立てることで、高性能なPCを安価で整備しています(2022年度は11台を自作)。
原子炉工学研究室に少しでも興味・関心がある学生の皆さんへ
当研究室の使命は、将来の原子力工学分野で活躍する人材を育成することですが、原子炉工学という分野での研究活動を通して、将来の世界、日本、そして自らの身近な社会に貢献してくれる人材を育てることが何よりも重要であると考えています。
日々の暮らしは、面白いことだらけではありません。しかし、それぞれの工夫・努力によって、面白くないけど大切なこと、しなくてはならないことが、少しでも面白く取り組めるようになる筈です。それぞれがそれぞれなりの工夫・努力をすることで、充実した研究生活を送れるような研究室を目指しています。
以下、よくある質問への回答です。
・研究室活動は?:研究ゼミと英語ゼミ(テキストの輪講やプレゼンの訓練)をそれぞれ週1回行います。また、各学生と教員との間での研究進捗会合(研究に関わる議論)を週1回行います。なお、学生・教員ともに、毎週、研究進捗レポートの提出を義務付けています。
・研究室の研究レベルは?:「ある程度は認知されてはいるが、トップレベルとは言えない」というのが現状です。皆さんの手でトップレベルに引き上げて下さい。研究室サイトの「研究業績」も参考になるでしょう。
・コアタイムは?:ありません。しっかり取り組んでくれる限り、基本的には細かいことには口出ししません。
・原子力にあまり興味がないけどやっていけるか?:勿論、原子力に興味がある人が望ましいですが、これまでも原子力に興味がない学生さんが多く研究室に配属されました。それぞれ、それなりに楽しくやっていたと思いますので、大丈夫ではないかと思います。「これまで怠けてきたが、そろそろ本腰をいれて勉強したい」というような学生さんは大歓迎です。
・プログラミングに自信がないけどやっていけるか?:プログラミング技術を学ぶための特別な演習コースが整備されていますので、先輩学生の指導の下で、基本的なところから身に付けることが出来るようになっています。これまでの殆どの学生は問題無く技術を身に付けることが出来ていると思いますし、その結果、IT関連分野への就職も増えているようです。
研究
原子炉物理シミュレーション・核データに関する研究
原子炉内の中性子の振る舞いや核分裂連鎖反応を数値的に模擬するための研究を幅広く行っています。現在は、核燃料の燃焼にかかわる複雑な計算モデルを、数学的な手法を駆使することで簡略化する自動アルゴリズムの開発や原子力発電プラントの安全解析や放射性廃棄物管理等で重要となる崩壊熱や核種生成量の不確かさ定量化などを行っています。これらの解析は研究室で独自に開発されている汎用炉物理解析ソフトウェア CBZを利用しています。
より詳細な内容は研究内容をご覧ください。